訪問介護の仕事は、老人ホームなどの介護施設と比べて一人の利用者と接する時間が長くなります。そうした環境の中、より良いサービスを提供するには、日ごろから利用者の生活や体調に関する相談を聞いて、適切な対応を取るよう心がけることが肝心です。また、重い身体障がいや認知症などを抱えている利用者の対応をする場合には、家族ともしっかりとコミュニケーションを取り、必要なサポートについて検討をするのも大切です。訪問介護員が在籍する事業所の中には、勤務を始めて間もないスタッフを対象にコミュニケーション研修を実施したり、外部で行われている研修会や勉強会への出席を勧めたりしているところも少なくありません。
また、介護サービスの質の向上を目指している事業所の中には、先輩のスタッフがマンツーマンで新人の指導を行うところもあります。そこで、訪問介護の仕事をなるべく円滑にこなすうえで、少しでも介護の知識や技術に自信が無い人は、時間を掛けて職場選びをすることが大事です。なお、訪問介護の利用者側のニーズをくみ取るには、直接相談に乗るだけでなく、ケアマネジャーをはじめとした専門職に定期的にアドバイスを貰って、理想的な介護の提供方法について考えることも有効です。
その他、難しい問題に直面をした際には、事業所内で解決をしようとするのではなく、地域包括支援センターや市区町村の役場の福祉課といったところを頼りにするという方法もあります。自分ひとりで何でも解決するのではなく、頼るべき所に頼るのが訪問介護でも大切なポイントです。