訪問介護の仕事を介護士としてうまくやるコツは、やれることとやれないことを明確に伝えることです。たとえば、訪問先の高齢者の住んでいる部屋の掃除や洗濯など、高齢者に関連した家事を行うことはできます。しかし、同居している家族の洗濯や掃除は決してやってはいけません。訪問介護ではできる範囲が限られており、頼まれても断ることが大切です。
訪問介護士ができることは、訪問先の高齢者の介護や身の回りのお世話だけです。食事や排せつの介助、入浴時の介助や衣服の脱ぎ着、洗顔や歯磨きなどをすることになっていますが、自分でできる人に対しては、手を貸さずに自分でやってもらうことが重要となります。できると高齢者自身が話していても、できないこともあるため、それとなく観察し、できていないときには声をかけて失礼のないように直すことも必要です。
訪問介護において重要なのは、高齢者とのコミュニケーションといえるでしょう。話の内容は嘘ではないけれど事実ではないこともあるため、真に受けないように注意しなければなりません。まれに訳が分からない内容であっても、否定しないように別の話題に流すことも必要です。相手が傷つかないように笑顔で会話することも忘れてはいけません。穏やかにはっきりゆっくりと話すことがポイントとなります。なお、低めの声で話したほうが、加齢による耳の不自由な方には聞きやすいと感じることが多いようなので、声の出し方にも工夫をしましょう。また、相手の手を握りながら話すと安心して話を聞いてくれる高齢者が多いため、話をするときの参考にしてください。